かなでと申します。松山ケンイチとオリジナル小説のブログです。要するに日々の萌えについて綴ってます。メールはkenkenken10305あっとまーくyahoo.co.jpまでお気軽にどーぞ☆


by sora10305
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

はこのなかのケンイチ・・・『アクチュール』より

a0131401_2255779.jpg

やっと・・・・
今さらな感ありありなんですが、アクチュールです。

この殺人的にかわいらしい、捨てられたわんこみたいなケンちゃんの
写真に駄文をくっつけて、『はこのなかのケンイチ』と題し、
絵本調にしてみました。

箱入りなんてかわいすぎる―――!!!(><)でも、なにげに、これには深ーーい意味があるんだそうですよ。
続きで紹介します。





まず、この、箱に入ったケンイチさんにどんな意味があるのかということ。
(ご存知の方は、とりあえずスルーでお願いします)
acteur No.16の表紙を手がけたデザイナーの関根朋子さんのお話を紹介します。

アクチュールの編集部のブログで紹介されてました↓
アクチュール表紙裏話が読めるブログへ☆



 ◆箱の中=松山さん自身の心・内面の葛藤(見えないもの)

 ◆箱をぶち破って出てくる=内面の葛藤と戦い

 ◆演技を通して人と人との心の垣根をぶち破って(見えないもの)を伝える



カメレオン俳優と言われる松山さんは
その役と同じくらい沢山の箱をお持ちで

それをぶち破りながらどんどんすばらしい作品を

残していらっしゃると感じたからです。


しかしながら実際はこのようなコンセプトを

事前にきちんと話したわけでもなく、

箱に入ってもらっただけで・・・

一瞬にして空気感を出す松山さんは本当に天才だと鳥肌がたちました。




・・・そうなのね。
ただのかわゆい捨て犬じゃなかったよ笑


ま、そんな深イイ話を踏まえて(?)
ケンイチ絵本のはじまりはじまり~!!!


**************

はこのなかのケンイチ

ある秋の日の夕方、まあたらしい、まっかなワンピースのすそをどろでよごした少女が
家にむかって、こばしりで公園のなかをよこぎっていました。

ふと、少女は足をとめました。
つつじのうえこみの、とぎれたあいだに、少女のりょううでにすっぽりおさまるくらいのだんボールばこ
がおかれているのを見つけたからです。

(もしかして・・・また、すていぬかな?)

少女はまえに、そのちかくで、にたようなだんボールばこのなかに、こいぬがすてられているのを
みつけたことがありました。

つれてかえろうとしたら、おかあさんに、こっぴどくしかられて、その日いちにちはおかあさんと口を
ききませんでした。少女はそのことを思い出してかなしくなりました。

また、かなしい思いをするのは、いやだな。

でも、こうきしんには、かてませんでした。

少女はうえこみのわきにしゃがんで、だんボールばこをのぞきこみました。

すると・・・

a0131401_23493640.jpg

だんボールばこのなかには、ちいさなにんげんがいました。

少女は「ひゃ!」とへんなこえをだしてしまいました。

まったくよそうがいのできごとに、でくわしたからです。

目をごしごしとこすって、もういちど、はこのなかをのぞきこみます。

やっぱり、体育ずわりをした、ちいさなおとこのひとが、だんボールのなかにいます。

うごいているので、にんぎょうではないようです。

そのひとは、体育ずわりをして、ぱたん、と90度、ひだりかたがわをじめんにつけて

たおしたようなかたちで、はこのなかにおさまっていました。

じめんからすいちょくほうこうの、はこのそくめんに、どういうわけかそのひとはすわっているのでした。

そのひとからすれば、はこのそこのぶぶんに、だんボールと同じいろのかみがくしゃくしゃになって
しかれていました。

少女がじっとのぞきこんでいるのに、おとこのひとははんのうしません。

心ここにあらず、といったようすで、しせんをさまよわせています。

少女はおずおず、と、そのひとにかおをちかづけ、はなしかけてみました。

「こんにちは。あの、どうして、こんなところにいるんですか?」


a0131401_23513176.jpg
おとこのひとは、かたほうの手でほおづえをついて、かんがえているようです。

少女はしんぼうづよくまちました。

「うーーーん・・・・」

おとこのひとは、あごをいじりながら、しせんをさまよわせ、なにかをおもいだそうとしているみたいでした。

少女はまちきれなくなって、もういちど、きいてしまいました。

「あの、どうして、だんボールばこのなかに、くしゃくしゃのかみがしいてあって、しかもそこに、そんなふうに、
すわってるのかな・・・・って、」

しばらくして。

「ごめんなさい、わからないです」

と、もうしわけなさそうにいいました。

おとなのひとに、そんなふうにあやまられたことがなかったので、少女はびっくりして、
あわててくびをふりました。

「おもいだせないの?」

「・・・たぶん」

ケンイチは、あ!とちいさなさけびごえをあげました。

「なにか、おもいだした?」

「かんしょうざいです」

「え?」

ケンイチはうれしそうなようすで、、おしりのしたにしかれているくしゃくしゃのかみをさわりながら、
少女にせつめいします。

「あ、この、かみなんですけど。これはかんしょうざいなんです。あのー、もちはこんだりしたときに、
どっかにぶつけたりとかおっことしたりとかで、あの、どかんってなって、なかみがこわれないように、
かんしょうざいがしいてあるんですよ。」

少女にはよくわからないはなしでしたが、とりあえず、ケンイチがいっしょうけんめいせつめいしてくれたので、

えがおでそうなんだ、といってうなずいておきました。

そして少女ははなしをもとにもどしました。

「ほかに、おもいだせることは?あ、なまえは?わたしは、ミカっていいます。あなたは?」

「ケンイチです。・・・ミカ、ちゃん」

なまえをよぶとき、はじめて、少女のほうをみました。

そして、はにかんだように、えんりょがちに、にこり、とわらってみせました。

少女もつられてえがおになりました。

「ケンイチさん、なまえだけは、おぼえてたんですね」

「いや」

ケンイチは、きょろきょろとしせんをおよがせながら、くびをふりました。

「なまえは、おぼえるものじゃなくて、うまれたときから、くっついてるものだから・・・」

「じゃあ、わたしも、うまれたときから、ミカだったのかな?」

ケンイチはまた、ずいぶんながいこと、あごをいじりながら、かんがえこんでいました。

少女はそのあいだにケンイチをかんさつしていたのですが、どうやら、あごにかすかにはえている

ぶしょうひげがきになって、それをさわったりひっぱったりしているようでした。

「たぶん」

かなりじかんがたってから、ケンイチはしゃべりはじめました。

「・・・ミカちゃんとして、うまれて、ミカちゃんに、なっていくんだと、おもう」

まるでさぐってるみたいなしゃべりかたでした。


「でも、わからない。いろんなことが、ぜんぜん、たしかじゃないんです」

少女は目をぱちくりさせながら、ちいさなケンイチをみつめていました。

「でも、ひとつだけたしかなことがあって」

ケンイチは、いいながら、ぐるり、とだんボールばこのかべをみまわしました。

「なあに?」

「わいは、ここから、でなければいけないってことです」

「あの、」

少女は、はこのなかへ、さらにみをのりだして、いいました。

「よかったら、わたし、そこから、ケンイチさんをだしてあげましょうか?」

ケンイチは、さびしそうなえがおになって、ちからなくくびをふりました。

「ありがとう。でも、だめなんです」

少女は、じぶんにさわられるのがいやだったのかな、とおもって、すこしキズつきました。

「どうして?」

「あ、あの、ミカちゃんの、きもちはすっごくうれしかったんだけど」

ケンイチはあわてていいました。

「でも、これは、わいのもんだいだから。わいがじぶんでつくったはこに、じぶんではいった。

だからじぶんででられるはずだし、どうしても、じぶんででなきゃいけないんです。」

そういって、ケンイチはすこしきびしいかおつきになりました。

少女はいいました。

「じぶんでつくって、じぶんではいったの?」

「うん、・・・たぶん」

(たぶん、ばっかり)

少女はこころのなかで、ためいきをつきました。



a0131401_23555314.jpg

「立てない?」

「・・・できません」

「じゃあ、その、だんボールのかべ、こわせない?」

ケンイチはむずかしいかおつきをして、だんボールのかべをみつめます。

それから、おそるおそる、手をのばして、だんボールのかべにふれてみました。

ぺたん、とてのひらをかべにくっつけます。


a0131401_2357057.jpg
今度は、そのうすっぺらなかべを、ようじんぶかく、おしてみました。

べこり、とはこがへんけいします。

「はんたいがわも、おしてみたら?」

少女のこえに、あとおしされて、ケンイチはもうかたほうの手でも
だんボールのかべをおしはじめました。



a0131401_23574047.jpg

だんボールばこのみぎとひだりのそくめんがへんけいして、ろっかくけいになりました。

けっこうちからがいるみたいで、ケンイチは、いままでになく、するどいかおつきになっていました。

「だいじょぶですか?」

少女がしんぱいそうなかおをしてきくので、ケンイチはむりにえがおをつくってこたえました。

「だいじょうぶだよ」

「でも、とっても、つらそう」

ケンイチはくびをふりました。

「ミカちゃん、は、ミカちゃん、で、よかったとおもう?」

「ん?」

「ミカちゃんじゃなくて、だれかべつのひとならよかったのにって、おもったことはある?」

少女はふるふる、とくびをふります。

「ないよ、そんなこと。ケンイチさんは?」

「なりたいのかどうかは、よくわからないんだけど」

ケンイチはよりいっそう、ちからをこめて、だんボールばこをひろげています。

「でも、わいは、じぶんでいるってことも、よくわからない」

少女のおおきな目がケンイチのちいさな目をけんめいにのぞきこんでいました。

「じぶんでいるってことは、なにもかんがえないってことなんじゃないかな。」

ケンイチはせいいっぱいくびをひねって、ちいさな目で、少女の、みずたまりのようなおおきな目を
みあげていました。

「ケンイチさんは、ケンイチさんだよ。ケンイチさんがケンイチさんをやめることはできないよ」



a0131401_23583884.jpg
ケンイチはぱたんと90度、からだごと、はこをかたむけました。

そしてよつんばいになって、はこのなかから、はいだしてきました。

ふしぎなことに、はこからはってでてくると、ケンイチのからだはどんどんおおきくなっていきました。

少女はおでこがぶつかりそうになって、あわててはなれました。

どんどん、どんどん、ケンイチのからだはのびていきます。

あっというまに、少女よりおおきくなって、



a0131401_004794.jpg


きづくと、おとなのおとこのひとに、なっていました。

「ケンイチさん!やっと、おとなになれたね!」

「どうかなー。」

ケンイチはとおい目をしていいました。

その目は、ガラス玉みたいに、すきとおっていました。

「ぼくじしん、まだおとなになれていないですから」

と、だれにいうでもなくいってケンイチは、てれたようにちいさくわらいました。


a0131401_033010.jpg

ケンイチは、すくっと立ちあがりました。

立ってみると、とってもせがたかくて、ほそいひとだということがわかります。

ケンイチは、あしもとにころがっている、じぶんがいままではいっていたはこをみおろしていました。

かれが、すっと、ひとさしゆびをたてると、はこがふわふわとういて、そのゆびさきへとよっていきました。

まるで、あやつりいとでつっているみたいでした。

てもとまでたぐりよせると、ケンイチは、片手で、はこをかかえました。

少女はおもしろそうに、そのようすをながめていました。

「それ、もってくの?」

ケンイチは、うなずいて、また遠い目をしました。

「またきっと、ここにもどらなきゃならないときが、くるだろうから」

「それ、わたし、もっててもいい?」

ケンイチは少女のかおを見て、

むじゃきなえがおになって、うなずきました。

「うん、いいよ」

それから、ケンイチは、少女にありがとうと、さよならをいいました。

少女はなにもしてないよ、と、くびをふりました。

ケンイチは、ミカちゃんのおかげだよ、といいました。

そして、おもいだしたように、ポケットから、アメをだして、少女にわたしました。

そうしてふたりはわかれました。

少女は、いまはからっぽのだんボールばこを、りょううででしっかりとかかえたまま、

そのばにたちつくしていました。

ケンイチのうしろすがたが、かんぜんにみえなくなるまで、ずっとそこにとどまっていました。

ゆうひがあたりをそめ、木々のかげがだんだんやみにまぎれていきます。

からっぽなら、へいきだよね。

少女はからっぽのだんボールばこを、すこしだけ、ちからをこめて、ぎゅっとだきしめました。

【完】

・・・「ケンイチ絵本」っていうカテゴリも作っちゃいましたんで笑
これからもぼちぼちやってこうかなーーーと思ってみたり(^^)
皆様のお声次第かしら、なんて★

[PR]
by sora10305 | 2009-08-29 02:55 | ケンイチ絵本