かなでと申します。松山ケンイチとオリジナル小説のブログです。要するに日々の萌えについて綴ってます。メールはkenkenken10305あっとまーくyahoo.co.jpまでお気軽にどーぞ☆


by sora10305
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幽玄な灯火の中で・・・なら燈火会(銭ゲバで妄想)

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3泊4日で奈良旅行に行ってきました★
そういうわけで久しぶりの更新となりますーーー。
ブログペットのケンちゃんが「今日はだれかあそんでくれないかな・・・」って日記に書いてて、
あわてて謝りましたが、ぷいっとそっぽを向かれてしまいました(汗)
ごめんよ、ほったらかしにしていてm(..)m

狙って行ったわけではないのですが、旅行の初日が「なら燈花会」の最終日に当たって、
夜の奈良公園や春日大社などが、たくさんのろうそくの明かりに照らされて
それはそれは美しかったんです。上の写真は、竹筒の中でろうそくが光っていて、
「花」の形になってます。「続き」で写真をもっと紹介してますよん。

夢のような風景の中、しっかり妄想を働かせて来ましたよ。
今回の妄想は『銭ゲバ』バージョン。風太郎と茜と緑が奈良に燈花会を見にきちゃったっていう
設定です。

よかったら読んでみてね。



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なら燈火会(とうかえ)は、ちょうどお盆の時期、10日間だけ、たくさんのろうそくの明かりで古都奈良の歴史と緑を照らし、訪れた人々の幸せを願う催しだそうです。
1999年から毎年行われていて、たくさんの観光客がこれを見に各地から集まってくるみたいです。
『燈花』とは、灯心の先にできる花の形のかたまりで、これができると縁起が良いんだそうです。

みんな、燈火会をわざわざ見に来ているのに、たまたま当たるなんて、かなりラッキー!!!


←こういう入れ物に、ろうそく入っている灯火がたーーーくさん並べられています。


その数2万個を超えるとか超えないとか。圧巻です。

さてさて、そんな燈火会で炸裂したくだらん妄想、銭ゲババージョンを、披露しちゃいますよ(笑)
茜になったつもりで読むもよし、緑になったつもりで読むもよし。
(・・・私的には茜かな・・・)
★を超えた向こう側から、銭ゲバ妄想ストーリー@燈火会のはじまりはじまりーーー!
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

広場では大勢の人が足元の無数の灯火に歓声を上げていた。皆、写真撮影に余念がない。女性のうち半分くらいは艶やかな浴衣姿だ。

芝生の上に弧を描いて敷き詰められた朱色や卵色の燈火たちが、ゆるやかに、夢幻のような光を投げかけてくる。その美しさに、茜は息を呑んだ。
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「きれい……」

茜は白地に青い紫陽花柄の浴衣を着ている。彼女が座る車椅子を許婚の風太郎が押している。
風太郎はひときわ大きな光の円の前で、車椅子を止めた。

茜は後ろから何の反応も返ってこないので、上に向かって振り返り、風太郎の顔を見た。

風太郎の目は憂いを帯びて伏せられている。

「…どうしたの、風太郎さん?」

風太郎は茜の不安げな視線を受けると、彼女の方へ身を屈め、口元だけ緩ませて、ちいさく首を振った。

「…いや」

それから茜の前にまわり、芝生の上に膝をついて茜と視線を合わせた。光の円を背にして、硝子のような瞳で茜を見つめる。
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茜の髪を人さし指で優しく梳いて、耳元にてのひらを当て、ぎゅっ、と押さえた。

耳を塞がれて顔を覗きこまれ、茜はうっすらと頬を赤らめて恥ずかしそうに微笑む。そして風太郎の手首をぎゅっ、とつかんだ。

「風太郎さん、聞かせてよ」

風太郎は茜の声には応えず、淡い笑みを浮かべながら囁いた。

「茜、お前は本当に醜いね。毎日見てるけど、いいかげん、うんざりするよ。こんな綺麗なところには、似つかわしくないよな、俺も、お前もさ。」


言いながら、この上なく優しい仕種で、茜の顔の痣を撫でる。


「あとちょっと、だ。あとちょっとで、お前の役目は終わる。そしたら、銭の山が、俺のものになるズラ。お前の役目はそれまでだ。そのためだったら、愛してるよ、とか、その痣も好きだよ、とか、いくらでも言ってやるズラ。」


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「茜、風太郎君!」

茜の姉、緑の呼び声が聞こえる。

風太郎は立ち上がり、茜から離れて緑を迎えた。

緑も浴衣を着ていた。紫の地に桃色の菖蒲が描かれた浴衣を身に纏った緑は気品に溢れ、艶やかだった。
風太郎は一瞬だけ、その姿に見惚れた。口元が自然に緩む。

「…緑さん」

茜の表情は曇る。
緑は苦笑しつつ言った。「あ、ごめんなさい、邪魔してしまって」

風太郎は首を振った。
「いえ」

緑は瞳を輝かせて、辺り一面に散りばめられた灯火を見渡す。

「ほんと、綺麗ねーー!!!我が儘言って、見に来てよかったでしょ?ね、茜、風太郎くん。」

茜は頬を膨らませて、黙っている。
風太郎は寂しげな表情をしている。

緑は困惑した、「…どうしたの?」

しばしの沈黙。

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風太郎がぽつりと言った。

「ちょっと、死んだ母のことを思い出してしまって」

「…お母様にも、見せてあげたかったね」

緑は優しく微笑んだ。

「でもね風太郎くん、きっとこの光は、天国のお母様のところにも届いているよ」

風太郎は、皮肉気に口の端を歪めて苦笑した。

「ほんとに、緑さんは」

言いかけて、星の疎らな空を見上げ、黙りこむ。

緑は不思議そうな顔をして、風太郎を見上げる。

「なぁに?」

「緑さんの綺麗な目には、綺麗なものしか、映らないんですね」

「……風太郎くん?」

(俺は自分が醜いから、綺麗なものが好きなんだ。それなのに、俺の目で見る世界は、醜い。綺麗なものすら、醜く歪んで見える)

「ふ、風太郎くん?」
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茜がくいっと緑の浴衣の裾を引っ張った。
思いっきり半眼になって言う。

「…お姉ちゃん」


「あ、ごめんごめん。じゃ、ふたりとも、しっかり楽しんでね。そうそう、写真、撮ってあげるね!」

緑は灯火の円を背に、ふたりを並ばせ、デジタルカメラのシャッターをきった。

「お邪魔しましたー」

邪気のない笑顔をふたりに向け、手を振りながら、緑は親戚の集まりに戻って行った。

涼やかな風を受けて、無数の色鮮やかな灯火たちが揺れる。
儚い明かりの中で、風太郎と茜は目線を交わした。

盆の夜の燈花に包まれながらも、永遠に、交わることのない、目線を。
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by sora10305 | 2009-08-18 00:17 | 日記的なもの