かなでと申します。松山ケンイチとオリジナル小説のブログです。要するに日々の萌えについて綴ってます。メールはkenkenken10305あっとまーくyahoo.co.jpまでお気軽にどーぞ☆


by sora10305
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かなでの妄想小説『ザムザ 言葉の王国』 第7話

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これは、「松山さんがザムザを演じたら・・・」と妄想をフル稼働させて、読んでいただけたら嬉しい、創作小説です。
そして、上のオトナなムード満点!素敵画像は、サチコ@さんからの頂き物です(^^)/
ザムザの世界観に合わせて、わざわざ作ってくださったんですよ058.gif
かなで、カンゲキです!!!!!泣けます!サチコ@さん、ありがとうございますーーーm(..)m
表紙絵にさせていただきますね053.gif

そんなわけでザムザ第7話です!!日付が変わる前に、アップできそうでよかった!!!!

感想&ご意見&苦情などなど、随時受付中です!
コメント待ってまーーーす(@∀@)/

気に入って下さったら、前の話も是非是非見てってください★
よろしぐby水木陽人

前の話はここから↓
ザムザ 言葉の王国 第1話
ザムザ 言葉の王国 第2話
ザムザ 言葉の王国 第3話
ザムザ 言葉の王国 第4話
ザムザ 言葉の王国 第5話
ザムザ 言葉の王国 第6話




ザムザ 言葉の王国

第7話

名刺は一枚だけだった。しかも私たちのちょうど中間に差し出されていた。

どうすべきか、対応に困った。

しばしの沈黙。滝と名乗った小男は、仮面のような笑顔のまま、名刺を差し出し続けている。
私はいたたまれなくなってきたので、仕方なく一歩前に出て、名刺を受取った。
今日は何かと名刺に縁があるな、と思いつつ眺めてみる。

   日本呪術師協会  
   監察執行部 監察第三課 課長 兼 特別対策室 室長  
   滝 史郎 

肩書的には、中間管理職的なポジションだろうか。そういえば、滝に似た風貌の課長がうちの会社にいる。でも何の「特別対策室」なんだろう?

「日本呪術師協会」の前には、三枚の葉っぱの模様がついている。これが日本呪術師協会の印なんだろうか?滝に視線を戻してみると、襟元に同じ三枚の葉のピンバッジがくっついていた。後ろの2人の襟にも付いている。やっぱり、印らしい。それにしても何なんだろう、そのギャグみたいに怪しい協会?

「でですね、後ろの、右の、眼鏡の細いのがですよ、園田で、その隣の、顔がこゆいのが、
田無です。」
滝は、皺だらけの笑顔で後ろの2人を紹介した。

「眼鏡の細いの」は紹介されても直立不動の姿勢で立ったままだった。目線は斜め上あたりに固定されている。その先には何もないので、なにを見ているのか謎だ。そして、なんだか非人間的な立ち方をしている。それにしても園田の瘠せ方は尋常ではない。足なんかダチョウみたいに細くて、ズボンの下にほんとに足があるのか疑いたくなる。

「顔がこゆいの」は、紹介されるとさわやかに微笑んで、頭を下げた。確かに田無は、顔がこゆいし、色も浅黒い。園田の隣にいるせいか、ものすごくがっしりした体形であるように見えた。

私も、半ばひきつってはいるだろうが、2人に向って笑顔で会釈した。
文枝は固まっていた。元来、生真面目な彼女は、さっきから、めまぐるしくおかしなことが起こり続けているため、対処不可能になっているようだ。

「それにしても、ですよ」滝は手をすりすりしながら言った。
「ここに、こんなお嬢さん方がいらっしゃるとは、びっくりです。みたところノルマルであるらしいし・・・」

(ノルマル?)私は怪訝な顔をしていたらしい。滝は少し慌てた様子で、

「いや、あのですね、単刀直入に申しますと、ですよ、」
と言いながらスーツの内側のポケットから、一枚の写真を取出した。

それは・・・どこからどう見てもザムザの顔写真だった。なぜか白黒。
あの革のコートではなく、黒い無地のTシャツを着ている。

「この男を、見かけませんでしたか?」
その男なら、見かけたというか、今まで話してました。
と言おうとしたが、声が出なかった。

すると、文枝が2歩ほど前に出て、写真を覗き込み、
「さあ・・・知りません」と顔色ひとつ変えずに言った。

え!!!?と思って、文枝の色白の顔を見るが、別段、不審なところはなく、落ち着いた様子である。
こんなにさらっと嘘がつけるような子ではなかったはずなので、私は焦った。

だがやっぱり声が出ない。

滝はこめかみをぽりぽりとかいた。

「じゃあ、ザムザという名の男は?知らないですかねぇ」
文枝は首を振る。「・・・いえ、知らないですね」

「そちらの、お嬢さんは?どうですか?」
話を振られたが、反射的に首を振ってしまった。

あれ?そんなことするつもりはなかったんだけど・・・

おかしい。さっきから、何かが明らかにおかしい。
まるで、自分の体が、自分のものではないようだ。

文枝の様子もおかしい。あんなにきっぱり嘘をつくなんて。まるで別人のようだ。

滝は、小首を傾げている。鼻の下のちょび髭がなんだか気になる。
「そうですか・・・いや、でもですよ、間違いなく、ここから奴の波が・・・」
後ろで、田無がうんうん、と大きく頷いている。

なんだろう、波って?

滝は、また仮面みたいな胡散臭い笑顔をこちらに向けてきた。
「いや、その、あなたがたはですよ、重要な参考人といいますか、その、ザムザに接触した可能性のある…重要人物といいますか。」

唐突に、私たちの目の前、2メートル先くらいのところに、少女が現れた。
滝たちと、私たちの間に、ぽっと現れたのだ。完全に、物理を無視して。
私は思わず叫びそうになったが、その少女に「しっ!!」と制された。
…あれ?この子どこかで会わなかったっけ?

年齢は14~15歳くらい。
こがね色の髪を高いところでひとまとめにして、深緑色のシュシュで結んでいる。毛先がうなじのあたりに垂れている。もみあげの部分だけ、長い。
黒目がちの瞳は零れ落ちそうなくらい大きい。だがその目線は、彼女の年齢に似合わず、冷めている。
あどけなさの残る面差しの少女が、にこりともしないで私たちを冷たく見据えている。

「……というわけで、ですよ。大変申し訳ないのですが、少しお時間いただけませんか?あなたがたと、少しお話をさせていただきたく…」

滝はしゃべり続けている。まるでそこには少女などいないかのように。後ろの2人も、少女が現れる前と何も変わらず、そのまま立っている。

まさか。彼らには、少女が見えていないの?

私は文枝を見た。彼女の視線は、その少女の方に向いている。だが表情に変化はなく、特に驚いている様子もない。

少女はたったっ、と私たちの方に寄ってきて、私の右手と、文枝の左手を取った。
しゃらん、と金のブレスレットが鳴る。

彼女は私と文枝の顔を交互に見て、言った。

「『諾』と言え」
可愛い声だが、大変、高飛車な物言いだ。

私たちがきょとんとしていると、少女は眉を吊り上げた。そのあどけない顔立ちとは不釣り合いな、鋭い眼光で私たちを睨みつける。小さな体から、有無を言わさぬ強い気を放っている。
「いいから、言え!」

私たちの口から同時に言葉が出た。
「諾」
私たち自身の意志とは関係なく。

その瞬間、あたりが緑色の光に包まれた。
「消えた!!!」
田無が叫んだ。
滝たちが焦りだした。

少女は部屋の角に私たちを引っ張っていった。
壁に隣接したところに私を立たせ、その前に文枝を立たせる。できるだけ壁に寄るようにと指示される。
少女が文枝に背を向け、前に立った。

私は、わけのわからない現状に耐え切れなくなって、文枝の後ろから少女の背に向かって問い掛ける。
「あの、いったい何が起こってるんですか?あなたは誰なんですか?」

少女は振り返り、思いっきり目を細めて、押し殺したような声で、にべもなく言う。
「うるせぇ、黙ってろ」

あれ?
この感じって…
さらに問いかける余裕はなかった。少女はもう、前に向き直っていた。

滝たち3人は、大変焦っていた。さっき「消えた!」と叫んでいたことから、どうやら私たちの姿が本当に見えなくなったらしい。あの緑色の光が原因に違いない。

3人のうち2人が言い争い始めた。滝が「なんで見張ってなかったんだ」と2人を責め、田無が「見てましたよ!室長こそ、近かったのになんで気付かないんですか!」と怒りだし、園田は青白い顔をしていた。もっとも、園田は私たちに初めて会ったときから、青白い顔をしていたので、特に変わりはない、と言うのが正しいのかもしれない。

そのうちに、室長が「園田!」と呼び付けた。

園田は一歩前に進み出た。人指し指と中指を立て、他の指を組み、
「臨」
と唱え、さっと空中を横に切った。

それから、右足を一歩前に出し、左足を右足に擦り寄せた。今度は、左足を一歩前に出し、右足を擦り寄せた。先に出した方の足を超えないように擦り寄せるという、妙な歩き方だ。
歩きながら、
「兵」
などと唱えて、さっきの組んだ手で空中を縦に切ったりしている。

呪術師協会の会員だけに、ほんとに呪術を使うらしい。

そうこうしながら、彼は徐々に私たちの方へ近づいてきた。
私たちの周囲半径2メートルくらいまで距離が縮まる。
彼はこちらの方を見ている、のだが、やはり私たちの姿は見えていないらしい。

少女が鼻で笑った。「ふん、バカめが」

その声に反応したのか、園田は眼鏡を中指で押しあげ、ひょろ長い体を屈め、ぐい、と少女の鼻先に身を乗りだしてきた。やっぱり、園田の動きはあまり人間的ではない。まるでロボットのように、ぎこちない。

園田の顎と、少女の額。その距離、30センチ。

少女が、いきなり、がば、と文枝に抱きつき、体ごと、壁に向かって押した。文枝は「きゃ」と小さく悲鳴を上げる。
文枝の後ろにいる私は、文枝の背で、ぎゅうう、と壁に押し付けられた。
「や、ちょっと…」
文枝が鼻にかかったような声を上げる。…あれ?

少女の左手が、文枝の豊乳に・・・?
いや、明らかにつかんでる。そのちいさな手に、豊かな果実が押しつぶされている。

とりあえず今は、どうやら真近にいる園田に気付かれてはいけない局面のようなので、文枝も私も、状況はまったくわからないまま、息を殺してひっつきあっていた。

私は少女の左腕の革ひもをぐるぐる巻きつけたようなアクセサリーをじっと見つめていた。
そして、さっきから頭の中にもやもやと浮かんでいる考えが、やはり事実なのではないか、という思いを強めていた。

しばらくして(とても長い時間のように感じられた)
園田は、「勘違いか」と呟き、私たちから身を離し、やはりぎこちない動作で、通り過ぎて行った。

「園田!まだか?ここにはいないのか?」滝の苛立った声。
「まあまあ、室長、落ち着いてください。焦ってもしかたないですって。」田無が宥めている。

「節穴め」と、少女が小馬鹿にした様子で、園田の背中に向かって吐き捨てた。
言いながら彼女は、私たちから離れた。

「あの・・・」
私はどうしても気持ちを抑えられなくなって、少女の肩に軽く触れた。
少女は振り返って、私を冷めた目で見据える。
それから、にやり、と邪悪に笑んだ。

私はぞくりと産毛が逆立つのを感じた。

そのとき、薄暗い部屋に、音楽が鳴り響いた。
「3分間クッキング」のテーマだ。
滝が携帯電話を取出した。どうやら滝の着信音だったらしい。
滝は「はい」とか「それはどういうことですか?」とか「まずいですね!」とか言って、電話を切り、深刻な面持ちで部下2人を招集する。
それから、ほどなくして、彼ら3人は現れたときと同様に、突然退出していった。
がしゃん、と重い鉄の扉が閉ざされる。
バタバタと階段を下る足音が響く。その響きは徐々に遠ざかっていく。

あとには、沈黙と、静けさと、湧き上げられた埃が残った。
少女が緩やかに睫毛を閉ざす。体から魂が抜けるように、急に力が抜けた。
ふらり、と身体が揺らぎ、そのまま前のめりに倒れる。私は慌てて彼女に駆け寄っていき、その体を抱きとめた。
軽い衝撃を体で受け止める。小さい体なのに、しっかりと重みを感じた。その体は冷たかった。「大丈夫?」と呼んで頬を軽く叩いても、返事はなく、瞳は閉ざされ、長い睫毛が頬に影を落としている。気を失っているようだ。

急に、入口の扉が勢いよく開け放たれた。
ぼさぼさ頭に無精鬚の、皮肉げな笑みを浮かべた男が、ひょいと顔を覗かせる。
あ、と文枝が小さく声をあげた。

ザムザだ。
彼はずかずか、と大股で、部屋の隅にいる私たちの方に歩み寄っていき、私の腕に抱えられた少女の、こがねいろの髪をぐしゃぐしゃ、と撫でた。
ザムザは少し目を細めて、表情を和らげた。「お疲れさん」

それから、あの重そうな革のコートを、ばさり、と軽やかな所作で脱いで、埃っぽいコンクリートの床に拡げた。
コートの下にはぴったりした黒のTシャツを着ていた。滝の出してきた写真に写っていたものとはまたちょっと違う。
太陽のようなモチーフの、巨大なネックレスが胸元で揺れていた。

ザムザは顎でくいっとやって、私に指図する。
「ここに、寝かせてやれ」

私は言われたとおりに、彼女を注意深く、コートの上に横たわらせた。文枝も少女の体を足の方から支え、手伝ってくれた。2人がかりでもかなり手間取った。完全に脱力している人間ってこんなに重くて、ふにゃふにゃしていて、覚束ないものなんだ、ということを初めて知った。

「あの」
少女を寝かせて、改めてザムザと向き合う。私は少し厳しい表情になって切り出した。
ザムザは素知らぬ顔で鼻をかいている。
「あ?」
「今まで、どこにいたんですか?」

ザムザは口元を歪め、色を失くした顔で床に横たわっている少女を指した。
「こいつの中」

私はぎっと視線をきつくした「じゃ、やっぱり、フミちゃんの、胸触って・・・」
文枝は途端に、真っ赤になった。

ザムザはふん、と鼻を鳴らした。
「Eの75くらい?」
文枝はさらに赤くなって顔を覆ってしまう。
私は平手打ちを食らわせようとしたが、ぐい、と手首を掴まれた。

「俺ぁ、思うんだが」
そして反対の手で文枝を指す。
「あんたくらいのサイズが、ベストだよな」

「最低!!!」
私は怒りに身を任せ、暴れて、ザムザの手を振りほどこうとするが、逆に、反対の手も掴まれてしまった。

両手を戒めた状態で、ザムザは私を見下し、不敵に笑った。

私は負けじと、睨み返す。

何故だかわからないが、私は心底、この男に腹を立てていた。

第8話へ★
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by sora10305 | 2009-08-12 23:54 | 小説『ザムザ 言葉の王国』