かなでと申します。松山ケンイチとオリジナル小説のブログです。要するに日々の萌えについて綴ってます。メールはkenkenken10305あっとまーくyahoo.co.jpまでお気軽にどーぞ☆


by sora10305
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オトナケン・コドモケン【前編】 松山さんで妄想してみよう!

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ボーダーTの子がコドモケン、スーツのお兄さんがオトナケン。
雑誌『GYAO』のオトナケンな写真で(下のリンクからも見れます)妄想が爆発してしまいました!!

オトナケン・コドモケンbros.の元ネタ記事はここから☆

あまりにも大人の色気が全開だったもので(〃-〃)
かと思うと、松山さん、すっごく幼い表情で写っている時もあるし。
ケンイチさんったら、その時々で全然顔が違うよね、ってことで、
妄想がどんどん広がっていったんです。

昨日発売の、CREAにも書いてありましたが、ほんとに「変幻自在」だなあ、松山ケンイチは。

そんなわけで、オトナケン・コドモケンの小説・・・のカケラみたいなのができちゃいました☆
何のオチもないし、単なる情景描写みたいなものなんですが(笑)
一応、後編も今書いてるところです・・・でも多分、何のオチもつかないです。

よかったら、兄弟を両方とも、松山ケンイチが演じたら・・・と妄想しつつ、読んでみてください。

リクエストくださった、サチコ@さん、ホワイトネイルさん、きょうさん、

ありがとうございましたー(^0^)♪

あと、上の画像のテンプレのサイトを教えてくださったサチコ@さん、ありがとうございます★
らぶです(>。<)

サチコ@さんちの素敵画像に、いつも癒されてますよーーーん!!




オトナケン・コドモケン ブラザーズ【前編】

小鳥遊 健市(たかなしけんいち)は、夏の深夜の茫洋とした闇をかき分け、古びたアパートの階段をだるそうに上っていた。

あまり手入れしていない感じの短い髪を、ぐしゃぐしゃと掻きまわす。かなりの癖っ毛だ。
その顔立ちにはまだあどけなさが残っていた。

時刻は午前1時。彼は大学でオーケストラのサークルに所属しているのだが、その練習後に、仲間と飲んでいたら、こんな時間になってしまった。しかも明日、厳密に言えば今日、は1限だった。たぶん起きられないんだろうな、と、まるでひとごとのように思いながら、健市は大きく欠伸をして、滲み出た涙を無造作に拭った。
(あの人が、居れば起こしてくれるだろうけど)

後ろのポケットから部屋のカギを引きずり出す。
大学の最寄り駅から2駅、駅からは徒歩7分、という便利な立地条件にあるため、去年まではこのアパートによくサークルの仲間や先輩が入り浸っていたのだが、今年の春、彼が大学2年生になってからはそういうことはなくなった。
 
入り浸りのお客様はだいたいいつも決まったメンツだった。彼らが出入りしたあとはいつもなにかが増えていた。プレイステーションだとか、マンガだとか、いかがわしい雑誌やDVDだとか。

そういえば、先輩が、「彼女も俺も実家だから」と言って頼み込むので、仕方なく部屋を貸してあげたこともあった。友達の家でさんざんグチを言いながら一晩過ごしたっけ。あれは去年の秋頃だったかな?

などと、思い出し、健市は過去を懐かしんだ。
今年から泊まり込みのお客が途絶えたのは、同居人ができたからだ。
1DKのアパートだがDKの部分が6.5畳あるので、一人で暮らす分には多少スペースに
余裕があった。だが2人で住むのには若干狭い。

健市は305号室のドアを開けて、足元を見やったまま、しばし動きを止めた。
狭い玄関には、先の尖った革靴があった。それはいい、問題はそのとなりに白いハイヒールがちょこんと揃えて置いてあることだ。健市の頬がひきつった。
(・・・またかよ)

おそるおそる部屋の中を覗き込んで見ると、幸い、と言うべきか、奥の部屋の扉が閉まっていることが確認できた。そこにベッドが2つあるのだが、今や開かずの間となってしまっていた。まあ、キッチンの脇にあるテーブルとイスをどかせば、そこで寝れないこともない。
(でも布団が奥の部屋に・・・)
同居人は用意周到だった。ダイニングのテーブルとイスが隅に寄せられ、なんとかスペースが作られていて、そこに来客用の布団も敷いてあった。

しかも、テーブルの上もキッチンも、床も、むしろその部屋全体が、きちんと片づけられていた。とても男2人住まいとは思えないくらい、整然としていた。問題点といえば、そこはかとなく、花の香のような残り香が漂っていることくらいだった。

健市は溜息まじりに表情を緩め、荷物を足下に放り出して、洗面台へと向かった。
そのとき、お尻のポケットにつっこんであった携帯電話が震えた。メールだ・・・差出人は「小鳥遊 神威(たかなし かむい)」。

―ケンイチ、ごめん

弟が帰宅したことは、物音でわかったらしい。
「・・・・」
健市は、奥の7畳の洋室に残り香の主と共にいるであろう、5歳年上の兄に向って、難しい表情をしながらメールを返そうとした。

―いつも、ごめんっていうけどさ・・・

でも、思い直して、書きかけた文を消し、その代わりこう返した。

―限定品の、夏蜜柑チョコ買った!

携帯を洗面台の脇に置き、歯ブラシを手にとって、歯磨き粉を絞りだそうとしていると、
また携帯が震えた。

―奇遇だね。今日、俺もそれ買ったよ。

健市は洗面台の鏡に映った眠たげな自分の顔をぼんやりと眺めた。
兄貴とは顔も、好みも、似通っているんだけど。
(決定的かつ最終的なところで、あの人とおれは、違うんだよな。)


「・・・イチ、ケンイチ」
誰かに揺すぶられている。健市は目を閉じたまま、ううん、と小さく唸った。
「ケンイチ!」
肩を掴まれ、ごろんと転がされて、健市はやっと目を覚ました。彼を覗き込んでいる顔があった。

健市の目にはその顔と、いつもと同じ薄汚れた天井と、若干埃っぽい、四角い蛍光灯が映った。健市はごしごしと目をこすって、あたりを見回した。妙に片付いている部屋は自分の部屋ではないみたいだったし、おまけに彼は全然馴染みのない、来客用の布団の中にいた。起き上がって見ると奥の部屋のドアが開いていて、窓から夏の朝日が差しこんでいた。人の気配はなかった。
健市を覗き込んでいるのは、瓜二つの、兄の顔だった。顔立ちこそ似通っているが、二人の醸し出す雰囲気は全く異なっている。弟はピュアで自然体で、まっすぐな印象なのに対し、兄の方は、全体的に大人びていて、どことなく影があり、奥二重の双眸に深く静かな光を湛えていた。

小鳥遊 神威。健市の兄であり、同居人だ。彼は大手化粧品メーカーに勤務している。去年までは名古屋に配属されていたが、今年から東京の本社に異動となり、東京に下宿している大学生の弟の同居人となった。実は入社3年目にして、かなり稼いでいるらしいが、「倹約中だから」という理由で、弟のアパートに転がり込んできた。

「ケンイチ、起きろ。遅刻するよ」

神威は切れ長の瞳を細めて、窘めるような調子で言った。

「え・・・・でも、眠いし、おれ、今日はもう・・・」
「ダメ」神威はぺち、と弟の頬を叩いた。
「金曜は1限だろう?いいから起きて、着替えるんだよ。ほら」

コーヒーメーカーから漂う香ばしい匂いが健市の鼻孔をくすぐる。トースターのじりじりという音も聞こえた。

(・・・なんで、俺の予定まで覚えてるんだろう?)
いつもそうだ。行動予定表を渡しているわけでもないのに、兄は健市の行動予定をだいたい把握していた。ちらっと言ったことでもほとんど覚えている。神威は驚異的な記憶力の持ち主だった。
外からは蝉の鳴き声がうっすらと聞こえた。部屋の中はクーラーのせいで冷えきっていた。

「兄貴、あのさ」
「ん?」

健市は何気なく向かい側に座る兄の姿を見ながら、言うべき言葉を探した。昨日の、お客様のことが聞きたかったのだが、果たして言及してよいものなのか、彼にはわからなかった。こうして起こしてもらって、兄の作った朝食を食べながら、あえてそんなことを聞くのは野暮だろうか?

実家にいたころは、母親が用意した朝食を毎朝欠かさず食べていたが、一人暮らしを始めたら、朝食を食べる習慣がなくなってしまった。だが兄と同居するようになったら、朝食の習慣が再開された。健市が目覚めると朝食が用意されているようになった。だいたい洋食なのだが、たまに和食になったりもした。今日のメニューはトースト、スクランブルエッグ、焼いたベーコン、マカロニ入りのサラダ、カフェラテだった。

平日はいつも、健市が起きるころには兄はいなくなっている。健市も朝早く起きなければならない時は、出かけ際に起こされる。そんなわけで、食パンが焼かれていることも、こうして兄と向かい合って一緒に食事することも、久々な気がした。

なにより、スーツを着た兄と家で朝食を共にするのが、稀なことだったので、健市は何か珍しいものでも見るように、兄が朝食を食べる姿を見ていた。

兄はスーツの上着を椅子の背に掛け、シャツの袖を捲っていた。長い指でバターナイフを扱い、トーストにバターを塗っている。白いシャツに黒に近い深紅のネクタイがよく映えていた。健市はトーストの上にスクランブルエッグを乗せながら、思った。
(妙に様になってるよな)

長い脚は組んでもなおあり余って、床に投げ出されている。そんなところもいちいち絵になる男だ。
(ずるいよな、兄貴はさ。だって素材は一緒なんだよ、ほとんど。なのにさ、俺がやるとなんでもないことでも、兄貴にやらせると、どういうわけか付加価値がついて、なんかこう、決まっちゃうんだよ。昔からそうだったよな。俺は平凡、兄貴は優秀で人気者。何をやらせてもできちゃうし、兄貴は・・・)
「ケンイチ?どうした?」
神威は怪訝な顔つきで弟の目を覗き込んでいる。
(でも、わかってるんだよな、兄貴は全部。俺のくだらない劣等感とかさ。そう思うと恥ずかしいよな)
口をへの字に曲げ、健市は頭をぼりぼりとかいた。昨日完全に乾かさなかったため、まだ髪の毛が湿っていた。
「なんでもないよ」

神威はほんの少しだけ、首を傾げた。
それから、相好を崩して、ふふ、と笑った。
「な、何?」

神威は食事を中断して、手についたトーストの粉を払い、前方に座る弟の方に身を乗り出した。そして弟の柔らかそうな癖っ毛にくっついているパン屑を、つまんで取り除いた。
「あ、なんか、ついてた?」
神威は微笑んで、頷く。
「パンくず。髪、濡れてるね。ちゃんと乾かしてから寝ないと、風邪引くよ。クーラーもつけっ放しだったし」
(母親かよ!)と心の中で突っ込みながら、健市は切り返した。

「昨日の人は、帰ったの?」
実は、さっき言いかけてやめたのは、そのことだったのだが。
神威は顔色ひとつ変えずに答えた。
「うん。ごめんね。」
「会社の人?」
「うん。」
「そういうのって、へーきなの?いつも思うけど」
サークル内のカップルだって、割と気まずそうなのに、社内恋愛なんて、もっと大変だろうし、それにいろいろまずいんじゃないのか?と、彼は思ったのだ。

神威はもう食べ終わっていた。注ぎ足したコーヒーを飲みながら、目をこすっていた。
「ん?何が?」
「だから、その、シャナイレンアイってやつ」
「ああ、平気だよ。ヘマはしないし。それに、たいていは」
言葉を途切れさせて、神威は、昨夜も白いハイヒールの主に何度か向けたであろう、極上の笑顔を弟に向けた。
「レンアイじゃないからね」

健市は思わずトーストを取り落としそうになった。
それから、呆れ顔になって、言った。
「あ、そう・・・」
本当は、じゃあなんなんだよ、と聞きたかったが、それは聞いてはいけないことのように思えた。
それに、兄の考えてることなんて、どうやったって、わかるはずがない、と健市は思っていた。
年齢差の問題ではない。兄と同じ年になったって、健市は女性を部屋に連れ込んで「レンアイじゃないから」とか言うようには絶対にならないだろうし、そういう人間の心理を理解することも、おそらく永久に、ないだろう。

だからできるだけ兄には干渉しないようにして、なんとなく、受け入れておけばいいのだ。
受け入れるというか、受け流すというか。

そのとき、充電中のため床に置かれていた健市の携帯電話が鳴った。
健市は慌てて椅子から降りて、携帯電話を拾った。
坂崎知恵先輩、と表示されている。健市と同じオーケストラのオーボエパートのパートリーダーだ。
会社風に言えば「直属の上司」。
「もしもし?チエさん?」
「よかった、出た!おはよー!!!ケンちゃん、悪いんだけどさ、1限、英文学史、出席カード出しといてくれない?ちょっとバイト先がピンチでさ!今日キッチン1人しか来れる人いなくて、店長も駆けつけるらしいけど、それでもホールあたし1人とかありえなくない?あ、出席カード頼んで平気?いいよね?」
「あ、」
「ありがとーーー!!!!!助かるわ!!!!ケンちゃん、いつもごめんね、今度メシおごるからさ!!あ、辛いの平気だったよね!駅前に出来たカレー屋の激辛に挑戦しに行かない?星5つのやつ。あれまじやばいらしいよ、ゴジラになれるってさ!」
「・・・あ、あの」
「じゃあねーーーー!!!!!よろしくね!!!!!」

一方的にしゃべられて、電話を切られた。健市は「あ、」と「・・・あ、あの、」しか言っていない。それなのに、先輩の出席カードを出すことになり、どうやら駅前にできたカレー屋に行くことにもなったらしい。

まあ、先輩との付き合いもなんだかんだで1年半になるし、この調子にもいい加減慣れた。「マシンガントーク」というあだ名を持つ女性なのだが、彼女の吹くオーボエは彼女の言葉と同じくらい雄弁だ。そんなわけで彼女はパート内外からとても信頼されている。オーケストラというのはそういう組織なのだ。

健市はちいさな溜息とともに、携帯電話を放り出した。携帯電話はクッションの上でバウンドした。

神威が面白がるように言う。「チエさん、ってあの、上手なひとだよね。こないだの演奏会、よかったよ。『ドンファン』のソロとか」

健市はまた口元をへの字に引き結んだ。そう、演奏会に来てくれるのはいいのだが、このとおり顔がそっくりなので、すぐに兄だということがバレ、「健市とは違ってかっこいいね、顔同じなのに」とか「お兄さん紹介してよ!」とか、余計なことをさんざん言われてしまう。しかも毎回違う女性を連れてくるせいで、サークル内ではそのことが演奏会毎に話題になっているのだ。

「・・・それ、言ったら、チエさん喜ぶと思うよ」
「じゃ、言っといて」神威は腕時計を見た。「そろそろ、着替えた方がいいよ。」

「わかってるよ」面倒臭そうに言って、パンの残りを口の中に放り込み、コーヒーで流す。「そういう兄貴こそ、時間大丈夫なの?」
「うちはフレックスだから。今日はゆっくりなんだよ」
「・・・なんだっけそれ」
「好きな時間に仕事をはじめて、好きな時間に帰るってこと」

なんだよそれ、と健市は思った。社会人ってもっとこうビシっとしているイメージなのだが、兄の話を聞いていると、こんなものなのか?とか思ってしまう。大抵毎朝早く家を出て、夜中に帰ってくるので、忙しいんだろうな、とは推測できるのだが。(帰りが遅いのは、仕事のせいだけじゃないような気もするが。)何故かこう、兄は、常に余裕があるように見える。健市は、兄が、仕事が辛いだとか、疲れただとか言っているのを聞いたことがない。それどころか、辛そうにしているのも見たことがない。

「兄貴、仕事って大変?」

神威は口元に笑みを浮かべて答える。
「大変なくらいじゃないと、やっていても面白くないよ」
「じゃ、楽しい?」
「暇つぶしにはなるかな」
(暇つぶし?)

健市はついでに、日ごろはあえて聞かないところを、どうしても突っ込んでみたくなった。
「じゃ、その、女性とのおつきあいも、暇つぶし?」
兄は柔和な表情を崩さずに言う。

「あれは、退屈しのぎ」

・・・やっぱり、兄貴の言うことを理解する日なんて、永遠に来ないんだろうな、と、健市は思った。
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by sora10305 | 2009-08-08 17:36 | オトナケン・コドモケンbros.