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かなでと申します。松山ケンイチとオリジナル小説のブログです。要するに日々の萌えについて綴ってます。メールはkenkenken10305あっとまーくyahoo.co.jpまでお気軽にどーぞ☆


by sora10305
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映画『MW』(ムウ)観て来ました。

映画『MW』(ムウ)観て来ました。_a0131401_1591816.jpg
  ←これはただのイメージ写真らしい(笑)
本日・・・あ、昨日(4日)公開の映画『MW』観てきました。
以下、ネタバレはあんまりしない方向性の感想です。
「観にいこうかな、どうしよう?」と思っている方、参考にして頂けたら嬉しいです。
(でも100パーセントネタバレなしというわけではないので
ネタバレは絶対ダメ!!な方は以下の閲覧をお控え下さいませ。)
あ、上に貼ってある、やらしくて美しい絡み画像は、映画の内容とは全く関係ございません。
映画では山田さんと玉木さんの絡み自体があんまりないんですよ(涙)
原作では同性愛設定なのにも関わらず。(映画ではその設定完璧に抹消されています)
でも、山田孝之さん、その原作設定を踏まえて、空気を読んでくださったのか、今日の舞台挨拶では
「かっこいいっす。顔と背も高いし、いい声だし、いたずら好きでかわいいところもあって。すごくいい男ですね」と玉木さんにベタ惚れな感じだったそうですね。玉木さんは映画の撮影で海外に行かれているため
欠席だった、というのが残念なんですが。





感想です。
観終わって、まず思ったのは
薄い
ってことです。
特にたいした印象が残らなかったんです。
それなりに面白かったとは思うのですが。見どころは・・・?って聞かれたら、
なんでしょう?って、つまってしまうんです。

街中での鬼ごっこ、カーチェイス、銃撃戦、頭脳戦、暴力シーンなどのいかにも
クライムサスペンス的なシーンが連続していましたが、それってどう見てもハリウッドの二番煎じだし、
(そういうのやらせたら邦画は洋画には敵わないんで、そこで勝負しようとするのはどうかと・・・)

ジャーナリズムの、真実を伝えるための戦いみたいなものも
わざわざ映画の中で取り上げたテーマのわりには、深まりもせずに終わったし、
(山本祐典さんが新聞記者の役で出演なさってましたが、その役って、あまり本編の内容とは
絡んでないし、主要人物である2人にも関わっていないし、最後には
一応重要な役割を果たしますが、それもこじつけのように見えてしまって、
結局彼の存在意義がよくわかりませんでした)

映画の宣伝で言われていた、正義とは?みたいなテーマは「そんなんあったっけ?」
と言いたくなるくらい希薄だったし、
玉木宏さん演じる結城と山田孝之さん演じる賀来の「絆」もあるんだかないんだか
よくわからないようなものだったし。

大人の事情で消し去られた同性愛設定に変わる2人の絆を形成するものとして、
おぞましい過去を共有していること、と、結城が賀来の命の恩人であること、の2点が
押し出されているのですが、過去の回想シーンをきちんとやっていないので、
その部分にリアリティーが全然なく、説得力がないんです。
だからこの2人って結局、何?という感じが最後まで拭えません。

賀来神父は「お前が居てくれるだけでいいんだ・・・」とか「一緒に死のう・・・」とか言って、結城をまともな
道に戻そうとはしているんですが、なにしろその声が小さい。小さすぎる。
「重要なことは小さな声で語られる・・・」って、ねじまき鳥クロニクルじゃあるまいし笑
そんな小さな声で言ったって、全く結城には届きませんよ。

2人の関係って、もう別れたカップルみたいなんですよ。
結城の方は賀来のことなんてさっぱり忘れてるけど、賀来の方はまだ未練があって・・・みたいな。
でも賀来は草食系で、「まだ君のことが忘れられないんだ」っていうのを
伝えられない。どちらかというと、諦念に支配されている。そんな感じです。

結城の側から見れば、賀来の存在なんて、けっこう小さいんじゃないのかな?
そう思えてしまうくらい、2人の間の感情が冷えていて、悲しいんです。

2人の、精神的にドロドロな関わり合いを期待していただけに、若干ショックです。。。。

だからトップにあの画像貼ったってわけではないんですが笑

あ、そういえば、『銭ゲバ』で、幼少期の風太郎を一時期匿ってくれていた、ホームレスのおじいさん役の
品川徹さんが、総理大臣の役で出演なさっていましたが、さすがというか、素晴らしく風格を
醸し出してらして、素敵でした。半開きの目とか、鷹揚な口調と仕草とか、すごかったです。

玉木さんの演じる悪役・結城は、見た目はかっこいいんですが、しゃべり方がワンパターンで、鼻につくのと、
表情が乏しいのとで、全然感情移入できませんでした。
非人間的なところが結城の売りみたいなのですが、この人はどんな思いでこんなことしてるんだろう、
というのを推測させる何かとか、冷徹な仮面から人間的なものが見え隠れするとか、
そういうところがないと、主役なのに「あっそう、関係ないから」という気がしてきてしまうんですよね。
「なんでこんな風になってしまったの、この人は?」というところを省略しすぎなのも感情移入できない原因でしょうね。

ハッキリ言って、容姿以外に魅力的なところがない人間ですね、結城さんは。
目つきや仕草などに色気が欲しかったなぁ・・・
あと、悪役なんだからもっと壊れていいと思います。もっとイッっちゃってる感じでいいと思います。
玉木さんは「悪役で自分のイメージを変えたかった」とおっしゃってましたが
これでは、特になにも変わってないと思いますよ・・・残念ながら。

山田さんの、何かを堪えているような表情は良かったと思います。ですが役のせいか押しが弱いという印象がありました。結城と対をなす、主要人物なのに、こんなに弱弱しくていいのか、とつっこみたくなります。
でもそれは山田さんのせいではないですものね。

登場人物の中で一番熱い男、刑事役の石橋凌さんの、決して諦めずに向かっていくさまがかっこよかったです。

・・・ぐだぐだ語りましたが、要するに、面白くないわけではないけど、観たあとに取り立てて何も残らない
感じの映画でした。
原作ファンの方が「これをR-15でやらない段階で映画化はやめた方がいい」とおっしゃってましたが、
その意味もわかった気がします。(一応PG-12でしたけど)
でも大人の事情を加味したって、甘ったれた世の中に一発ぶちかますような強い作品は作れるはずです。

とりあえず、何が主軸の映画なのか、そこをもっともっと絞ってから制作すべきだったのでは?

ドラマの佐藤健の役&その父親の方がよっぽどかっこよかったですよぅ。
小出恵介さんも映画に出て欲しかった・・・

あ、初日なのに映画館空いてました。びっくりしました。

(追記)
結城が非人間的でメカっぽいのは玉木さんがそのように役作りなさったから、だったようです。
日本映画magazine vol.9のインタビューでの玉木さんの言葉↓
「結城って大きな動きをしてしまったら結城らしくないんですよ。人間らしさってちょっとした仕草で
出てくるので、それを感じさせないように気をつけました。セリフ回しにしても歩き方にしても、まるで
ロボットのように。階段を上がるときも、一段飛ばしをしたら結城じゃない。一段ずつ規則的に
上がる人間だと思います。」
だからあんな感じで表情に乏しかったんだなーーー。。。なるほど。

そして山田さんは賀来が煮え切らないので、撮影中ずっともやもやしてたらしいです。
「賀来は神父なんですが、ずっと葛藤を抱えている、もやもやしている役でしたね。
だから、撮影中は僕自身もずっともやもやしていました(笑)。」
(ソースは上に同じ)
そりゃそうだ(笑)

by sora10305 | 2009-07-05 03:11 | 映画・ドラマ感想