かなでと申します。松山ケンイチとオリジナル小説のブログです。要するに日々の萌えについて綴ってます。メールはkenkenken10305あっとまーくyahoo.co.jpまでお気軽にどーぞ☆


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旅立ち…『ノルウェイの森』へ 

映画『ノルウェイの森』公開へ向けて、かなではNORWEGIAN WOODを求める旅に出ます。
カテゴリ「ノルウェイの森」ではその過程を綴っていきます。






旅立ちの前に、語っておきたかったこと。
『ノルウェイの森』は大学時代に読みました。
とにかく有名な小説だということもありましたが、授業で村上春樹さんの作品が取り上げられたり、
一応文学部だったので、文学部の学生としてはこれは読んでおかないと、という思いがあったり、
そんなわけでこの小説を開きました。
そのときは、ほとんど理解できなかった。
『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』は面白いと思ったのに、
『ノルウェイの森』は、わからない、という印象しか残りませんでした。

今思えば、そのころの私は、小説を読んでもストーリーを追うことしかできていなかったのです。
話の運びの面白さとか、整合性とか、巧みな展開とか、納得できるオチとか、
まとめて言えば「フィクション性」とでもいえるようなものばかりを追い求めていたのです。

そんな私の世界を変えたのは、ドラマ『銭ゲバ』でした。
銭ゲバの主人公、蒲郡風太郎は、元はといえば、工場で働く派遣労働者だったのに、
大会社の社長の娘に取り入って結婚し、義理の父となった社長を人を使って殺害し、
自ら社長となります。そして会社の屋上から1万円札をばら撒きます。
社長になって最初の所業が、それです。

ストーリーだけ追っていると、まったくバカバカしい内容です。
私にとって『銭ゲバ』は、なにがどう素晴らしいのかを
表現する言葉がなかなか見つからないくらい重要な作品で、
ドラマの放映中は、観終わった後にしばらく放心状態になるくらい
夢中になっていましたが、ストーリーに関してだけ言うのであれば、
本気でそうだと思います。

でもストーリーなんてはっきりいってどうでもよかったのです。
『銭ゲバ』においては、ストーリーの荒唐無稽さは、むしろ、
主人公の内面の動きや登場人物たちの心の綾を際立たせるのに役立っていると思います。
『銭ゲバ』を緻密なストーリーに乗せてしまったら、せっかくの心理描写が霞んでしまいかねない
のです。

『銭ゲバ』と関わって、私の中に無意識のうちに形成されていた、
ストーリーに対する信仰のようなものは見事に打ち砕かれました。

そうなってから、『ノルウェイの森』映画化が決まり、松山さんが主演に決まり、
私は再び『ノルウェイの森』に出会うことになりました。
(もし松山さんが主演でなかったら『ノルウェイの森』に再会することもなかったでしょう、
それはとても悲しいことです。松山さんが主演で本当によかった…)

改めて『ノルウェイの森』を開いてみて、ふと目にした一節がこれでした。

「私のことを覚えていてほしいの。私が存在し、こうしてあなたのとなりにいたことをずっと覚えていてくれる?」

思わず本を取り落としてしまいそうなくらい、心が震えるのを感じました。

小説世界は、言葉そのものや、ストーリーやキャラクターや作者の思想のためにあるのではない。
それらは小説世界を構成する要素ではあるかもしれないが、それ以上ではない。

小説は言葉で表せないものを内包するなにものかだ。

そのときに、理屈ではなく、感覚的に、ふと、そう思いました。
なにものか。NORWEGIAN WOODという、異質で遠い響きを持ったそのなにものかを
追い求めて、私は旅に出ます。

松山ケンイチを中心として、私の世界は広がっていく。
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by sora10305 | 2009-06-28 06:00 | ノルウェイの森