かなでと申します。松山ケンイチとオリジナル小説のブログです。要するに日々の萌えについて綴ってます。メールはkenkenken10305あっとまーくyahoo.co.jpまでお気軽にどーぞ☆


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ライターと私

かなでの「言葉萌え」を綴っていきます。

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カテゴリ「言葉に萌える」では、小説・映画から街角で見かけた言葉まで、
私的に萌えた言葉を引っ張ってきて語ります。

今は村上春樹さんの『ねじまき鳥クロニクル』にはまってるので、
しばらくはそっからの引用が多いかもです。

なに、戯言を。意味不明・・・。くらいのノリで眺めてくだされば幸いです。



「僕は小さなライターを持ってその部屋の中にいた。ライターの光で見ることが出来るのは、その部屋のほんの一部にすぎなかった。」
(村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』 第1部 泥棒かささぎ編より)


「ひとりの人間が、他のひとりの人間について十全に理解するというのは果たして可能なことなのだろうか」という問いかけが、冒頭に挙げた部分に繋がる。「その部屋」というのは「僕」=主人公の妻、クミコの内面世界のことである。

人は誰しも己の内面に固有の世界を抱えている。それは誰にも理解出来ないし自分にすら説明出来ない、さらに言えば自分にもはっきり言ってよくわからない、広大なひとりきりの世界だ。
配偶者、親族、恋人、友人…人によって最も親密だと感じる相手はさまざまだが、そのような、自分としては誰よりも理解している、もしくはそうであるべき距離にいる相手のことでも、ライターで巨大な暗い部屋を照らしているくらいにしか認識できていない。

深い孤独を抱えた人々の、「わたしの世界」があちこちで交わっている。
現実世界だけでなく、電脳世界でも。みんな、孤独の重さと、得体の知れなさに、ひとりきりでは耐えられないから。そうやって私たちの世界は成り立っている。
他人が理解できないとか、恋人に、家族に裏切られたとか、そんなことでいちいち傷ついてもしょうがない。

どんなに親密な相手であっても、他人だ。他人の暗くて巨きな部屋を覗くために、我々が手にすることができるのは、覚束ない、ライターの火のみなのだから。
目を凝らして、小さな光に照らされる、薄暗い世界を見据えよう。

人と人との本当の意味での繋がりは、そういう努力によって生まれる。

その認識が、無意識の中にでも存在していないと、人と人の間に、致命的な捻れを生み出してしまいかねない。
捻れに気付いたときには、もう手遅れかもしれない。
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by sora10305 | 2009-06-23 01:07 | 言葉に萌える